簿記は1級から3級までありますが理解している?薬剤師と言えば、免許さえあれば転職も安泰と言われていました。しかし近年は薬局の仕事以外で勉強して簿記を取得している方も増えています。薬剤師の数が飽和してきている背景もあるため、簿記などの資格を取る方が増えています。しかしなぜ簿記がおすすめなのでしょう。
薬剤師が簿記を学ぶべき理由
薬剤師が簿記を学ぶことには、直接的な薬学業務とは別にキャリア・経営・市場価値を高めるメリットがあります。整理すると以下の通りです。
1. 調剤薬局・薬局運営での経営理解
- 将来的に薬局を開業する場合、経営・財務の知識は必須。
- 簿記を学ぶことで、以下の理解ができる:
- 収支管理(売上・原価・利益)
- 在庫管理とコスト管理
- 人件費・固定費・変動費のバランス
- 経営判断や投資判断がスムーズになり、失敗リスクを減らせる。
2. 管理職としてのキャリアアップ
- 調剤薬局・病院・ドラッグストアの管理職になると、店舗や部署の収支責任を持つことがある。
- 簿記の知識があれば、財務報告や予算管理が理解でき、マネジメント力が向上。
- 「薬剤師+経営・財務スキル」を持つ人材は評価されやすい。
3. 転職・キャリアの幅を広げる
- 製薬会社や医療関連企業では、経営・財務・営業・マーケティング知識がある薬剤師が重宝されることも。
- 医療ベンチャーやスタートアップで活躍する際、財務リテラシーは大きな武器になる。
4. 副業・起業の基礎
- 個人で薬局開業や健康関連サービスを行う場合、簿記の知識は必須。
- 簿記を学ぶことで、確定申告や会計管理も自分ででき、外部依頼コストを削減可能。
5. 思考力・問題解決力の向上
- 簿記は数字を使って論理的に物事を整理する訓練になる。
- 薬剤師業務にも活かせる:在庫管理・業務効率改善・コスト意識の向上など。
🔹まとめ
薬剤師が簿記を学ぶメリットは大きく5つにまとめられます:
- 経営理解:薬局運営や経営判断に必須
- 管理職スキル向上:店舗や部署の収支管理に強くなる
- キャリアの幅拡大:製薬会社や医療企業でも評価される
- 副業・起業支援:独立時の財務管理が自力で可能
- 論理的思考力向上:業務改善・効率化にも活かせる
簿記の基礎知識とその活用法
薬剤師にとっても役立つ「簿記の基礎知識」と「実務での活用法」を整理します。簿記を学ぶと、経営判断や業務効率化、キャリアアップに直結します。
1. 簿記の基礎知識
(1)簿記とは
- 企業や店舗のお金の流れ(取引)を記録・整理する方法。
- 「誰が・何に・いくら使ったか」を帳簿で明確にする仕組み。
(2)会計の基本3要素
- 資産(Assets)
- 現金、預金、在庫、機器など、価値のあるもの
- 負債(Liabilities)
- 借入金、未払い費用、買掛金などの返済義務
- 純資産(Equity)
- 資本金や利益など、資産−負債で残る価値
会計の基本は「資産=負債+純資産」
(3)主要帳簿
- 仕訳帳:取引を日付順に記録
- 総勘定元帳:仕訳帳を勘定科目ごとに整理
- 試算表・決算書:財務状況をまとめ、利益や損失を把握
(4)簿記でよく使う勘定科目例(薬局向け)
| 勘定科目 | 内容 |
|---|---|
| 現金・預金 | 薬局の現金、銀行口座 |
| 売上 | 調剤・OTC販売の収入 |
| 仕入 | 薬品・医療材料の購入 |
| 給料手当 | 従業員給与や福利厚生費 |
| 固定資産 | 薬局設備・パソコン・機器 |
| 借入金 | 融資やローンの負債 |
| 利益剰余金 | 利益の蓄積、将来投資に活用可能 |
2. 簿記の活用法(薬剤師向け)
(1)薬局経営・管理職
- 収支の把握、コスト管理、予算計画に活用
- 利益改善や人件費・仕入れ費用の調整が可能
- 管理薬剤師としての評価向上にもつながる
(2)独立・起業
- 薬局開業時の資金計画や税務申告に必須
- 損益計算書・貸借対照表を理解して経営判断ができる
(3)転職・キャリアアップ
- 財務知識を持つ薬剤師は製薬会社や医療ベンチャーでも評価される
- 経営理解がある管理職候補として重宝される
(4)業務効率化・コスト意識
- 在庫管理や発注量の最適化に数字を活用
- 経費削減や利益改善の具体策を提案できる
🔹まとめ
簿記の基礎知識を持つことで、薬剤師でも以下の能力が身につきます:
- 経営判断力:収支やコストを把握して改善策を提案
- 管理職スキル:財務の理解でチーム運営がスムーズ
- 独立・起業力:薬局開業や副業の財務管理に必須
- キャリア価値向上:製薬会社・医療企業での評価アップ

薬剤師におすすめの簿記資格
薬剤師がキャリアや将来性を高めるために簿記を学ぶ場合、目的に応じて選ぶ資格が異なります。薬局経営・管理職・独立・キャリアアップなど、状況別におすすめを整理します。
1. 日商簿記3級(初級レベル)
- 対象:簿記初心者、薬剤師として基礎から学びたい人
- 学習内容:
- 簿記の基本(仕訳、勘定科目、帳簿の書き方)
- 損益計算書・貸借対照表の基礎
- 学習時間:30〜50時間程度
- 活用シーン:
- 薬局経営の基本的な収支把握
- 在庫管理や日常業務での数字理解
- メリット:
- 短期間で取得可能
- 薬局や小規模事業の経営理解に十分対応
2. 日商簿記2級(中級レベル)
- 対象:薬局管理職・開業予定・製薬会社や医療企業で活躍したい人
- 学習内容:
- 商業簿記(売上、仕入、在庫、利益計算)
- 工業簿記(原価計算、コスト管理)
- 財務諸表作成の理解
- 学習時間:100〜150時間程度
- 活用シーン:
- 薬局の経営分析、予算策定
- 製薬会社や医療ベンチャーでの財務理解
- 開業準備時の資金計画・経営判断
- メリット:
- 経営分析・コスト管理まで対応可能
- 管理薬剤師や独立時に即戦力となるスキル
3. 日商簿記1級(上級レベル)
- 対象:薬剤師として経営・財務のプロフェッショナルを目指す人
- 学習内容:
- 高度な財務管理、連結会計、原価計算、企業分析
- 活用シーン:
- 薬局チェーンや医療法人の経営管理
- 製薬会社・医療ベンチャーでの戦略的意思決定
- メリット:
- 財務・経営面で最上級の専門性を持つ
- 管理職や経営層での評価が高まる
- 注意点:
- 学習時間は膨大(300時間以上)
- 薬剤師の実務だけでは必要性は限定的
4. 薬剤師におすすめの取得順序
- まず日商簿記3級で基礎を習得
- 経営や管理職を目指すなら日商簿記2級
- 将来的に経営・財務のプロを目指す場合は1級挑戦
3級→2級の順で学ぶと理解がスムーズで、実務でも活かしやすいです。
簿記を学ぶための効果的な勉強法
薬剤師が簿記を効率的に学ぶには、忙しい勤務時間やライフスタイルを考慮した計画的・実践的な学習法が重要です。以下に効果的な勉強法を整理します。
1. 学習の準備
- 目的を明確にする
- 調剤薬局での経営理解、管理職昇進、独立、製薬会社でのキャリアなど。
- 目標級を決める
- 初心者は3級、中級・管理職向けは2級、経営志向は1級。
- 学習時間の確保
- 1日30分〜1時間でも毎日継続することが効果的。
- 通勤時間や隙間時間を活用する。
2. 学習ステップ別の方法
(1)基礎理解
- 教科書や参考書で簿記のルール・勘定科目を学ぶ。
- 薬剤師向けには「仕訳」「損益計算書」「貸借対照表」の理解が重要。
- ポイント:初めは数字に慣れること。取引のイメージを現金・在庫・売上で考える。
(2)演習で定着
- 過去問や問題集で仕訳練習。
- 「取引→仕訳→帳簿→財務諸表」の流れを体感。
- ポイント:間違えた仕訳はノートにまとめ、理解を深める。
(3)計算力とスピード向上
- 試験対策として時間を意識した演習。
- 電卓の使い方や計算ミスを減らす練習。
- ポイント:繰り返しでスピードと正確さを養う。
(4)実務に結びつける
- 調剤薬局や管理職業務の事例に置き換えて考える。
- 仕入れ:医薬品購入
- 売上:調剤・OTC販売
- 経費:人件費・設備費
- ポイント:数字の意味を理解することで記憶が定着し、実務でも応用可能。
3. 学習ツールの活用
- テキスト・問題集:日商簿記3級・2級用の参考書
- オンライン講座・動画:スキマ時間で視覚的に理解
- アプリ:仕訳・問題演習アプリで隙間学習
- 簿記スクール・通信講座:体系的に学びたい場合
4. 効率的に合格するコツ
- 毎日少しずつでも継続:短時間でも積み重ねが重要
- 理解→演習→応用のステップを守る
- 間違えた問題をノートにまとめる
- 実務に置き換えて数字の意味を理解する
- 模試や過去問で本番形式に慣れる

簿記がもたらすキャリアの可能性
薬剤師が簿記を習得すると、単なる資格取得に留まらずキャリアの幅や市場価値を大きく広げる可能性があります。整理すると以下の通りです。
1. 薬局経営・管理職での活用
- 管理薬剤師や薬局長としての業務に直結
- 収支管理、コスト管理、予算策定、在庫管理が可能に
- 意思決定力の向上
- 財務状況を理解した上で、スタッフ配置や設備投資など経営判断ができる
- メリット:管理職昇進や経営面での評価アップ
2. 独立・起業の基盤
- 薬局開業や健康関連サービス事業を始める際に必須のスキル
- 資金計画・損益計算・キャッシュフロー管理
- 簿記知識があると外部会計士や税理士への依存を減らせる
- メリット:起業リスクの低減、経営の自由度拡大
3. 製薬会社・医療ベンチャーでの価値向上
- 製薬会社でのMR、薬事、研究開発、営業企画などで評価される
- 財務・経営理解がある薬剤師は、単なる薬学知識以上の付加価値を提供可能
- メリット:給与・ポジション面での優位性
4. 副業やキャリアの多角化
- 健康相談、オンライン服薬指導、医療関連事業などで収益化
- 損益管理や事業計画の理解があると収益性を高めやすい
- メリット:収入源の多角化、キャリアリスクの分散
5. 自己成長・論理思考力の向上
- 簿記を通して数字に基づく論理的思考力を身につけられる
- 業務改善・効率化・経営分析など、薬剤師業務にも応用可能
🔹まとめ
簿記習得は、薬剤師のキャリアに以下の可能性をもたらします:
- 管理職・経営判断力の向上
- 独立・起業でのリスク低減と収益向上
- 製薬会社や医療ベンチャーでの市場価値向上
- 副業・キャリア多角化の実現
- 論理的思考力・問題解決力の強化
薬学の専門知識に簿記スキルを組み合わせることで、薬剤師としての希少価値が大きく上がり、オワコン化を防ぐ戦略にもなる。
転職したい場合も簿記はお勧め
転職の際に簿記を記載していると、会社役員や、経営部などに転職するときは有利に働きます。特に2級以上を持っていると有利になるでしょう。転職は色々な職業がありますが、特に経営陣を目指す方には簿記がとてもお勧めです。転職を考えている方は転職エージェントを活用するといいでしょう。薬だけでなく簿記をとって経理、事務、医療事務へのチャレンジや活躍も可能です。
※当記事は株式会社フォーサイトにも掲載されました。
以下の記事も参考にしてみてください。当記事よりもさらに詳しい内容が列挙されております。




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