武田薬品と言えば日本で最も有名で、かつ成功している製薬会社となります。そのため薬剤師の方も就職先として武田薬品を選択する方はとても多いです。そんな武田薬品は会社がやばいと言われてます。どんなことが起こっているのでしょう
会社概要
会社名 | Takeda Pharmaceutical Company Limited |
本社所在地 | 東京都中央区日本橋本町二丁目1番1号 |
設立 | 1925 |
資本金 | 1兆6681億円 |
売上金 | 3兆1978億12百万円(2021) |
従業員数 | 47,347名 |
平均年収 | 964万円 |
グループ会社 | 日本製薬 武田技研サービス 大和特殊硝子 千寿製薬 近江屋 エルアイ武田 武田テバ薬品 武田テバファーマ |
業種 | 医薬品開発 |
URL | Home |
世界の製薬会社売り上げランキング 2022
2022年度の世界の製薬企業売り上げランキングでは武田薬品は11位にランクインしており、世界でもトップレベルの企業であることが分かります。
No | 会社 | 売り上げ |
1 | ファイザー | 812.9億ドル |
2 | ロシュ | 687.0億ドル |
3 | アッヴィ | 562.0億ドル |
4 | J&J | 520.8億ドル |
5 | ノバルティス | 516.3億ドル |
6 | メルク | 487.4億ドル |
7 | GSK | 469.1億ドル |
8 | ブリストル | 463.9億ドル |
9 | サノフィ | 446.7億ドル |
10 | アストラゼネカ | 374.2億ドル |
11 | 武田薬品 | 321.2億ドル |
製薬会社ではない?
武田薬品はもともと、1700年代に薬局として創業しました。その後医薬品の輸入販売を始め、ビジネスが大きく拡大していった会社と言う背景があります。そのため製薬会社と言うよりは医薬品商社と言ったほうがいいでしょう。2020年に湘南の研究所を湘南アイパークとして開放しましたが、権利を譲渡し、日本の武田薬品では創薬はしない方向となりました。つまり創薬をしてる製薬会社ではなく、創薬をしてる会社から買って販売してる会社になるのです。
圧倒的な待遇の良さ
武田薬品はさすがトップの製薬会社と言うこともあり、待遇の良さは極めて高いです。CRO企業と比べると雲泥の差であることが分かります。
初任給 | <研究職、研究技術職、開発職、生産技術職、総合職、Global Business Solutions Specialist> 博士卒=335,000円・修士卒=301,000円・学部卒=277,000円 |
手当 | 通勤交通費、借家補助費、時間外手当など |
昇給・賞与 | 昇給=原則年1回、賞与=年2回 |
勤務地 | 本社/大阪、東京 支店/札幌、仙台、東京、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡ほか 営業所/全国各都市 研究所/湘南、成田 |
勤務時間 | 工場(大阪・山口)=8:00~16:45 成田工場・成田研究所=8:45~17:15 湘南研究所=9:00~17:45 その他=9:00~17:30 (実働7時間45分) MR業務に従事する者=フレックスタイム制を適用 |
休日 | 土曜、日曜、祝日、メーデー、年末年始など(年間123日程度) |
休暇 | 年次有給休暇、特別有給休暇、産前産後休暇、ファミリーサポート休暇、育児休暇、子の看護休暇、介護休暇、ボランティア休暇 |

武田薬品はやばい?
以上のように武田薬品は世界でもトップレベルの会社であり、売り上げもとても安定していますから安泰と言えるでしょうが、Google検索でも「やばい」という言葉が飛び交っています。これから武田薬品に転職を検討している薬剤師は参考にしておくといいでしょう。
武田薬品の離職率・勤続年数
武田薬品の離職率はあまりわかっていません・勤続年数は15年程度と言われており、かなり安定した企業であることが分かります。
平均年収
武田の平均年収は1000万円を超えています。1000万円を超えているのは武田、アステラス、さらには大塚製薬しかありません。それくらい待遇の良さは抜きんでています。
労基法違反
武田薬品は労基法違反の問題を起こしてます。
従業員に子育てがしやすい労働環境などが整った企業を厚生労働省が認定する「プラチナくるみん」も取得済みだったが、ホワイト500と同様、こちらも自主返上の手続に入っている。
労基法違反が明るみに出たのは、法令違反事案の存在を認めた社内資料を基にした内部告発があったためだ。
経産省への内部告発は、会社が認めた前述の5件以外にも違法行為があると示唆したうえで、ホワイト500に申請する際に会社は「重大な労働基準関係法令の同一条項に複数回違反しているにもかかわらず、虚偽の内容で申請し、認定を受けました」と指摘している。
引用元 : 東洋経済
リストラが多い
武田だけでなく、近年は製薬会社で人件費カットの動きが加速しています。武田の場合は管理部門やMRの大量解雇をしています。従業員の早期退職を支援するプログラムがあるのです。これがいかのもの。そのためこれから転職する方は今の製薬業界の動向にも熟知している必要があります。CRO業界のほうはイケイケの状態になっています。
有利子負債
武田薬品の負債は現在8兆円を超えていて、このうち5兆円は有利子負債。いろんな武田の事業を売りまくって借金返済をしているという実態があります。決して順風満帆ではないのです。現在は湘南アイパークを譲渡したりしており、かなり切羽詰まっています。
子会社売却
武田薬品がやばいと言われている理由の一つに子会社を売却している動きが加速しています。2019年には眼科「シードラ」事業をノバルティスに売却。さらには武田コンシューマヘルスケアをアメリカのブラックストーンという投資ファンドに売却しました。
研究所の閉鎖
これから武田薬品に研究職として就職したい方には逆風の状況かもしれません。イギリスの研究所を閉鎖しており今後は日本とアメリカの研究所しか持たない方針。これによって研究職のリストラなどもあります。上記で挙げた通りで有利子負債のための処置です。
独裁国家で事業をしている
武田はグローバル展開していますがこれが仇になる可能性もあります。中国やロシアでも事業展開をしているからです。アステラス製薬の幹部が中国で何の容疑もないのに拘束されたことを知っている人は多いでしょう。
中国で勤務するということは突然拘束されるリスクが伴います。ロシアでは侵略をしていますから突然強制動員されてしまうリスクがあります。こればかりは経営者の自己責任としか言いようがありませんが、従業員は中国やロシアに転勤することは拒否したほうがいいでしょう。自分の身を守る必要があります。

薬剤師が転職する方法
以上のように武田薬品には逆風も吹いていますが、転職したがる方も多いです。それでは武田に転職をしていくにはどうしたらいいでしょうか。以下のような特徴を抑えて転職するのがいいです。
外資系
武田は日本の会社ではあるのですが、グローバル展開をしているため外国籍の比率がどんどん上がっています。そのため外国人と一緒に仕事をすることに寛容な方、そして語学力のある方が求められるでしょう。
最高レベルの給与水準
武田は平均年収も高く900万円台になりますので、薬剤師の平均年収である500万円を超えています。管理職になれば1000万円越えも当たり前になります。そうなるためには積極的なチャレンジ精神が求められるでしょう。
管理能力
製薬会社は自社の業務をどんどん外注していますので、外部会社の業務や納品物を管理する能力が求められるようになっています。スケジュール管理、品質管理、さらには交渉や外注費用など色々な面における管理能力を求められるでしょう。
狙い目の職種
薬剤師が転職するとなれば、臨床開発(CRA、DM、薬事)か研究開発(研究職)がねらい目になるでしょう。どの職も専門性が高いため、今までのキャリアの延長で仕事ができるような職種を狙うのがポイントです。未経験でも採用してくれる部門は存在します。
どうやって求人を探す?
製薬業界の場合、そもそも一般の求人サイトでは求人がないケースがほとんど。専門の転職エージェントに登録したほうが紹介をもらえるので登録することがおすすめです。専門性が高いので、専門で取り扱っているエージェントが最適です。
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